久しぶりのブログ更新です。
11月になってしまいましたね。
寒いような暑いような、でももう夏はいない物悲しい気持ちになることが多い10月でしたが、11月はクリスマスの楽しみさとまた歳を重ねる虚しさを感じています。
でも、元気!
先週はどうしようもないくらい落ち込むことがあって、自分をどう慰めれば前みたいになれるかがわからなかったので、普段は絶対行かないスーパー銭湯に行ってきました。
結果、とっても良かった。久々のマッサージを受けて、色んなお風呂に入って、癒されました。
だから、元気!
今回は、荻上直子さんの小説「川っぺりムコリッタ」を読みました。
感想を一言でいうと、描写が鮮明に浮かんで読みやすい小説でした。
なにか大きいことがあるわけじゃないけど、主人公や周りの登場人物と日常を一緒に過ごす目線で「小さな幸せ」「生きている実感」を感じられる本でした。
とっても厚みが薄いから、本が苦手な人が手に取りやすいと思います。
なんなら心の底から読みたくなければ、映画を観るって手があるので、どちらもおすすめです。
≪本の内容≫------------------------------------------------------------------------------------
大ヒット映画「かもめ食堂」「彼らが本気で編むときは、」の監督が贈る、書き下ろし長編小説
「なんで生まれてきちゃったんだろうって、ずっと思っていました」
高校生の時に母親に捨てられ、知り合いの家や建設現場を転々とし、詐欺で入った刑務所で30歳を迎えた山田。
出所後に海の近くの塩辛工場で働き始めた彼は、川べりに住みたいと願い、ムコリッタという妙な名前のアパートを紹介される。
そこには図々しい隣人の島田、墓石を売り歩く溝口親子、シングルマザーの大家の南など、訳ありな人々が暮らしていた。
そんな山田に、役所から一本の電話がかかってきた。
幼い頃に別れたきり一度も会っていない父親が孤独死したので、遺骨を引き取ってほしいという――。
ずっと一人きりだった青年は、川沿いの古いアパートで、へんてこな仲間たちに出会う。
友達でも家族でもない、でも、孤独ではない。
“ひとり”が当たり前になった時代に、静かに寄り添って生き抜く人々の物語。
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登場人物がちょっと変わっているけど、その会話やその人たちがいる場所に居合わせたいような不思議な親近感が持てました。
さすがに現実に島田さんが隣に住んでいて、仲良くもないのに突然「お風呂貸して」って言われたら、引いてしまうかもしれないけど。
島田さんの面倒くさくて煩わしい感じが、だんだん当たり前になっていく山田くんがうらやましかったです。
子供のころを考えると、ご近所同士で子供を預かったり、醤油の貸し借りがあったり…そんな生活があったななんて、今の生活でなくなったものに思いを馳せました。
面倒だけど、生きていくって家族じゃなくても周りの人たちと生きていくってことだよな、と。
人物描写がさらりとしているので、内容がくどくないし、読者とちょっと距離を置いてくれる作品なので、心が疲れているあなたにおすすめです。ぜひ。