あさのますみさんが書いた「逝ってしまった君へ」を読みました。
この本を購入した理由はnoteを読んで、とてもショッキングだけど素敵な文章に惹かれたからです。
あさのますみさんは、もともと声優”浅野真澄”さんとして知っており、ラジオを聴いていましたし、noteを読んでいました。
彼女に対する印象は”頭が良い人、軽快なトークをする人、お金が好きな人、文章を書くのが上手い人”です。
この本では、あさのさんが普段は見せていない部分のお話で、
”どんな出来事があって、
そのときどんな気持ちになっていたのか、
どういう状況だったのか”
が丁寧に描かれていたことで、
私が認識する あさのさん に奥行きが追加された気がしています。勝手にですが。
≪本の紹介≫
「note」での掲載が大反響を呼んだ壮絶なノンフィクション、待望の書籍化。
2019年1月。私は、古い友人のひとりを失った。
友人は突然、自らの意思で死を選んだのだ。
彼は私の大切な友人でもあり、私のはじめての恋人でもあった__
声優・浅野真澄が体験した、大切な人の「自死」。
大切な人を失って初めてわかる、大きな悲しみと日々の「気づき」。
遺書にあった自らに向けたメッセージ、告別式、初めての「遺品整理ハイ」
…そして「君」を失った悲しみの中で見つけた一つの光。
『誤解を恐れずに言ってしまうけど、
君を失って、私はひとつ、大きなものを得ました。
それは、自分を自分のままでいいと思える強さです』
『たった一つのものさしで自分を測ることに、意味なんてない』
『君がそこにいてくれることが、すべてでした。
君の存在そのもので、私はどこまでも満ち足りた気持ちになったのです』
あまりにも突然で悲しい出来事を経た「遺された人々」のその想いを、
逝ってしまった「君」への手紙の形で綴ります。
日々悲しみの中にいるあなたにこそ読んでほしい、
大切な人へ向けた祈りに満ちたノンフィクション随想録。
この本を読んで、”君”がどれだけ素敵な人だったか、どれだけ大切に思っていたのかが伝わってきました。
頭が良くて、友達が多くて、行動力があって…
日々、周りの人や生活の素敵な部分を見つけるのが上手い人なんだなと思いました。
そんな”君”が人知れず自死を選んだことに対する、あさのさんを始め、”君”のお母さま、お姉さま、周りの方々の衝撃は想像できません。
最初と最後で”君の自死”への認識が変わっていくところ、
時間経過、その間の過ごし方など、あっさりしつつ温かな文章で綴られています。
君の自死に関する事柄に対して、自分勝手に意味を見出さず、
冷静に見つめようとされた姿勢がすごいです。
今、悩みや辛さを抱えていて、「自分なんかダメな人間だ」ってささくれ立った心の人はぜひ読んでほしい。
自分の価値って地位や収入とか目に見えるものだけじゃないんだよと、
自分に何かあって辛い人は必ずいるよと、
そっと肩を支えてくれる気がしました。
あとがきを読み、”君の”お母さま、お姉さまが、
少しでも健やかに過ごせることを願います。